A2. 心身に関わる様々な機能 (血行・分泌・代謝など) が活性化することは、すでに実証されています。
日本語の「気」は、元気・気分・気性・気配・雰囲気、気のせいなど、どうも「曖昧なもの」として扱われがちです。
しかし、気功で心身は鍛えられ、何事にも挫折することのない持続力や集中力がつき、すこぶる自信と活力が湧いてきます。
そして、何より経済的な健康法なので、老いても安心して暮らせるように、未病対策として、私は生涯続けてゆこうと思っています。
「気功療法実践」初版に、気功の生理作用に関する記述があるので、ここにご紹介します。
1. 神経系に対する作用
入静 (最適な気功状態) における客観的生理的効果の基礎は何であろうか?
実験条件に限っても、いまだなおその本質のすべては示されていないが、脳波測定、中枢神経における化学的伝達物質の成分分析などから、入静とは大脳皮質が特殊な能動的内的抑制過程にあることが示されている。
2. 呼吸器系に対する作用
熟練した練功者 (気功鍛練した者) は、呼吸の方法、一分間の通気量、呼吸回数などに明らかな変化が認められ、呼吸の気流速度は著しく減少する。また、X線の観察では、調息に熟練しているものでは、横隔膜の上下運動幅が普通の状態に比べ二~四倍に増大していることが確かめられており、このことは吸気時の胸膜腔の陰圧を強めることとなるので、心肺の循環機能の改善となる。
3.消化器系に対する作用
気功は胃腸の蠕動運動を調整し、また消化腺の分泌機能にも影響を与える。気功特有の呼吸は、直接に横隔膜の運動幅を増大させるが、このことは横隔膜による胃腸マッサージ作用を増大させる意味を持っているので、用いる呼吸法とその程度が適当であれば、この作用によって胃腸の蠕動運動と腺体の分泌機能を調整することができる。
4.循環器系に対する作用
心拍・心臓の分時拍出量、肺動脈圧、血圧等の実験観察によると、気功の心臓・血管に対する影響も顕著で幅広いものがある。練功における入静の後、心拍数は明らかに減少を示し緩慢となるし、熟練者では人為的に心拍をコントロールして速くしたり、遅くしたりもできる。なかには心房粗動を誘発させることのできる者もいるが、逆に心房粗動、房性あるいは室性の期外収縮等心臓リズムの失調を矯正する作用も気功にはある。
5.内分泌系に対する作用
気功の神経系に及ぼす作用は非常に広範なものがあり、しかも安定したものであることが実験・観察によって確かめられているが、内分泌系が直接・間接的に神経系の調節を受けて、その生理的活動をおこなうことを考えれば、気功が必然的に内分泌系に影響するものであることがわかる。実際、このことは臨床上でも実証されている。 |
「気功療法実践」初版 (李敬烈氏が日本語訳) より引用